GUIDE|後付けIoT

古い設備から稼働データを取得する方法

公開日:2026年7月20日|最終更新:2026年7月20日|執筆・監修:三上 典秀(代表取締役・FA現場経験28年以上)

古い生産設備でも、設備を入れ替えずに稼働データを取得できます。PLCがEthernetに対応していればエッジコンピュータの追加だけで、対応していない場合も制御盤内の端子台から接点信号・電流値・温度などを並列配線で取得できます。PLCがない設備には、リモートI/Oを使った後付けIoT盤で対応します。昭和60年代製の設備での取得実績もあります。

取得方法は3つ。設備の状態で決まります

どの方法になるかは「PLCがEthernetに対応しているか」でほぼ決まります。現地調査で設備を確認し、最適な方法をご提案します。

方法1PLCがEthernet対応の場合電気工事不要

エッジコンピュータの追加だけで取得

エッジコンピュータを追加し、イーサネット経由でPLCからデータを取得します。タッチパネルに表示されている稼働状況・アラームなどの情報も取得でき、3つの方法の中で取得できるデータ量が最も多い方法です。三菱電機・キーエンス・オムロンなど主要メーカーのPLCに対応します。

PLCデータ取得ユニット(Ethernet経由で接続)
PLCデータ取得ユニット(Ethernet経由で接続)

方法2PLCがEthernet非対応の場合電気工事あり

端子台から信号を並列配線で取得

制御盤・操作パネル裏の端子台から、電気信号を並列接続で取得します。取得できるのは配線した信号に限られるため、稼働・生産数・異常など必要なデータを絞って設計します。施工は休日などの設備停止日に実施し、施工後は既存設備の動作に影響を与えずに継続取得できます。

端子台への並列接続
端子台への並列接続

方法3さらに古い設備・PLCがない場合電気工事あり

後付けIoT盤(リモートI/O)で取得

リモートI/Oを収めた後付けIoT盤を設置し、稼働信号・生産個数・電流値・回転数・温度・圧力などを並列接続で取り込みます。昭和に製造された設備にも対応できる方法です。制御盤に空きスペースがあれば、盤内にDINレールで直接設置してコストを抑えることもできます。

後付けIoT盤(内部)
後付けIoT盤(内部)

対応できる信号の一覧

古い設備からの取得で実際に使う信号形態です。この範囲であれば、設備の年代を問わず取得を検討できます。

デジタル信号(24V・AC100V・AC200V)アナログ信号(0〜10V・4-20mA・1-5V)シリアル通信(RS232C・RS485)産業機器通信(Modbus TCP・RTU・UDP)温度(熱電対・測温抵抗体)表示灯(パトライト)・三色灯・接点信号

設備を壊さない・保証を損なわないための考え方

光絶縁で電気的に分離

光絶縁によって既存設備と電気的に分離するため、設備の動作に影響を及ぼしません。制御回路へ直接負荷をかけず、安全に信号を取得します。

メーカー保証への配慮

PLCの通信設定を変更する場合は、変更後もメーカーサポートが継続されるかを事前にご確認いただいた上で施工します。端子台からの並列取得は、既存の制御ロジックに手を入れません。

施工は設備停止日に実施

電気工事を伴う接続作業は、休日などの設備停止日に実施します。生産を止めない後付け施工が基本です。

よくある質問

古い設備からでも本当にデータを取れますか?

取れます。PLCがEthernet非対応でも、制御盤内の端子台から接点信号・電流値・温度などを並列配線で取得できます。PLCがない設備でも、リモートI/Oを使った後付けIoT盤で対応でき、昭和60年代製の設備での取得実績もあります。

設備を止めずに導入できますか?

はい。既存設備を止めない後付け施工が基本です。電気工事を伴う接続作業は休日などの設備停止日に実施し、施工後は設備の動作に影響を与えずにデータを取得し続けます。

設備メーカーの保証は大丈夫ですか?

端子台からの並列取得は既存の制御ロジックに手を入れず、光絶縁で電気的に分離するため、設備側への影響を避けられます。PLCの通信設定を変更する方法を使う場合は、変更後もメーカーサポートが継続されるかを事前に確認した上で進めます。

何から始めればよいですか?

まず1設備からのスモールスタートをおすすめしています。ウェブミーティングで課題と取得したいデータをお聞きし、設備の写真・マニュアルを拝見した上で現地調査を行います。本工事をご発注いただいた場合、現地調査費用は導入費用から差し引きます。

お手元の設備で取れるか、まず写真だけでもご相談ください。

設備の写真・銘板・制御盤の様子から、取得できる可能性と方法の見当をお伝えできます。

セキュリティ方針

すべてのプロジェクトでNDA(秘密保持契約)を締結し、機密情報を厳格に管理します。取得したデータはお客様の資産であり、目的外利用は一切行いません。