GUIDE|ローカル・閉域構成

クラウド禁止の工場でAI・IoTを使う方法

公開日:2026年7月20日|最終更新:2026年7月20日|執筆・監修:三上 典秀(代表取締役・FA現場経験28年以上)

データを社外に出せない工場でも、IoTの導入はできます。データは工場内のサーバー・エッジ端末に保存し、取得・蓄積・可視化・異常通知までを工場内で完結できます。外部クラウドを一切使わない「完全ローカル」、キャリア閉域網・VPNだけで結ぶ「閉域構成」、お客様の情報システム部門が管理するクラウドに構築する構成の3パターンに対応します。生成AI(ローカルLLM)によるデータ分析は、外部にデータを出さない構成での活用を目指して自社で実証研究を進めています。

3つの構成パターン

構成1

完全ローカル(工場内で完結)

データは工場内のサーバー・エッジ端末にのみ保存し、外部への送信は行いません。データ取得・蓄積・可視化・異常通知までを工場内で完結できます。さらに生成AI(ローカルLLM)によるデータ分析も、外部にデータを出さない構成で自社検証を進めています。

  • データは工場から一切出ない
  • 取得・蓄積・可視化・通知まで工場内で完結
  • インターネット接続なしでも運用可能
構成2

閉域網・VPN(拠点間を安全に接続)

通信キャリアの閉域網やWireGuard VPNで、工場と本社・データ基盤だけを暗号化接続します。インターネットにデータを晒さずに、複数拠点の一括監視や遠隔保守ができます。ソラコムのLTE回線・セキュアVPN接続(Arc)の長期運用実績があります。

  • インターネット非公開のまま拠点間接続
  • 遠隔保守は必要な時だけのオンデマンド接続も可
  • 複数工場の一括監視に対応
構成3

お客様管理のクラウド

クラウドが使える場合も、当社のサーバーではなく、お客様の情報システム部門が管理するAWS・Azure・Google Cloud環境に構築します。データの所有権・管理権限はお客様側に残ります。

  • 情シス部門の管理下に構築
  • データはお客様の資産
  • 既存のセキュリティポリシーに準拠

ローカルで動かせるAI

「クラウドが使えない=AIをあきらめる」ではありません。以下のAI処理は、工場内のGPUサーバー・エッジで実行できます。

ビジョンAI【納入実績あり】

SAM3等による画像認識・仕分けをエッジGPUで実行。画像データは工場内で処理が完結します。協働ロボット連携ピッキングとして実ラインで運用中。粉塵・油環境向けの間接冷却GPUキャビネットも自社設計します。

ローカルLLM【構築実績あり・分析適用は実証中】

ローカルAIサーバーの構築は納入実績があります(大手空調グループの装置メーカー、2025年〜)。vLLM・llama.cppによるIoTデータ分析・日報生成への適用は、自社環境で実証を進めている段階で、検証状況を含めて正直にご提案します。

音声認識(Whisper)

現場の会話・報告の文字起こしをローカルで実行できます。音声データを外部サービスに送信しない構成が組めます。

セキュリティの担保

NDA締結の徹底

すべてのプロジェクトで秘密保持契約を締結。取得したデータはお客様の資産であり、目的外利用は一切行いません。

暗号化・アクセス制限

TLS・WireGuard VPNによる通信の暗号化、IPアドレスによるアクセス制限、公開鍵認証を標準としています。

セキュリティチェックシート対応

情報システム部門のセキュリティチェックシートへの回答に対応します。詳細はセキュリティ方針のページをご覧ください。

閉域網での実証実績:ソフトバンク・i-RooBO Network Forumの5G実証実験(5G+閉域網+PLCによる工場見える化検証)に参画しました。ソフトバンク法人公式コラム(実名掲載)

よくある質問

データを社外(クラウド)に出せないのですが、IoTは導入できますか?

できます。工場内サーバー・エッジ端末で完結するローカル構成に対応しており、データ取得・蓄積・可視化・異常通知までを工場内で完結できます。クラウドを使う場合も、お客様の情報システム部門が管理するAWS・Azure・Google Cloud環境への構築に対応します。

ローカル構成でも遠隔保守はできますか?

ご要件に合わせます。WireGuard VPNやソラコムのオンデマンドリモートアクセス(必要な時だけ接続を開く方式)を使えば、常時外部接続なしで保守できます。完全に接続を持たないローカル完結をご希望の場合は、社内からリモートアクセスできる環境をご用意いただく形で対応します。

AIによるデータ分析もローカルでできますか?

現在、当社が実運用しているAI分析(日報自動生成など)は、セキュリティ対策を施したサーバーからAIのAPIを利用する構成です。外部にデータを出さないローカルLLM(vLLM・llama.cpp)によるIoTデータ分析は、自社環境で実証研究を進めている段階で、お客様の要件・時期に合わせて検証状況を含めた正直なご提案をします。ローカルAIサーバーの構築自体は納入実績があります。

「クラウドNG」と言われた段階で、ご相談ください。

セキュリティ要件をお聞きした上で、ローカル・閉域・お客様管理クラウドのどれで実現できるかをご提案します。

セキュリティ方針

すべてのプロジェクトでNDA(秘密保持契約)を締結し、機密情報を厳格に管理します。取得したデータはお客様の資産であり、目的外利用は一切行いません。