CASE STUDY|現場データ取得・AIレポート

エッジ端末約30台・8年継続運用。
工場まるごとIoT化

公開日:2026年7月20日|最終更新:2026年7月20日|執筆・監修:三上 典秀(代表取締役・FA現場経験28年以上)

取引先名・実データは掲載していません。守秘義務に配慮し、業種・技術内容を中心に記載しています。

事例の概要

業種金属加工メーカー(大手)
対象工場全体(年代の異なる設備が混在)
取得方法エッジ端末を1台ずつ追加する段階導入方式。既存設備を止めない後付け施工
取得項目電力(30分デマンド含む)・ガス・温度・設備稼働・環境データ
規模エッジ端末 約30台(29台)
保存先クラウド(2026年に基盤を全面リニューアル)
運用期間2017年から8年間継続。本格運用5年以上
導入後の変化品質トレーサビリティ/稼働率・エネルギー分析/毎朝のAI日報自動配信
保守方法年間保守契約を継続中。VPN経由のリモート保守・機能追加

課題:工場の実態が「見えない」

工場全体の稼働・エネルギーの実態が見えず、品質の確認も紙の記録と現場の記憶に頼っていました。設備の年代がバラバラで、一括導入型のIoTパッケージでは対応が難しい状態でした。

対応:エッジ端末の段階的な積み上げ

2017年から、電力・ガス・温度・設備稼働などの現場データを取得するエッジ端末を1台ずつ追加していきました。一度に大きな投資をせず、効果を確認しながら約30台まで拡大。古い設備は端子台からの並列取得、新しい設備はPLC通信と、設備ごとに最適な方法を使い分けています。

変化:品質と稼働を「遡れる」工場に

「いつ・どの設備が・どんな条件で動いていたか」を遡れる品質トレーサビリティと、稼働率・エネルギーの分析基盤が整いました。現在は、環境・電力デマンド・設備別稼働率をまとめた工場全体の日報をAIが毎朝自動生成・配信するところまで運用しています。2026年にはクラウド基盤を全面リニューアルし、AI活用へ拡張中です。

蓄積データ×生成AIの即応力(実際の対応例)

8年分のデータが蓄積されていること、分析を生成AIで自動化していることにより、現場からのご依頼に対する分析レポートの提出が当日〜翌日で回っています。実際の対応例です(実データ値は非公開)。

設備トラブルの翌日に、3年分の傾向分析

工場エア(コンプレッサー)の圧力低下が発生した際は、翌日に過去3年分のデータから傾向分析レポートを提出。一時的な現象か、設備劣化によるものかの切り分け材料になりました。

警報しきい値の見直しを、当日に反映

モーター温度警報について「気温との温度差で判定したい」というご要望に対し、過去3年超の実データを分析して判定値を設計し、当日から新方式での警報運用を開始しました。

契約電力の判断材料に、1年分のデマンド分析

デマンド通知の運用切替に合わせ、過去1年分の電気使用状況(ピークの発生時期・頻度)をレポートとして提出。契約電力の見直し判断に使える材料になりました。

現場の様子

取得したデータをもとに可視化した稼働状況の画面例
取得したデータをもとに可視化した稼働状況の画面例
エッジコンピュータ・電源・ブレーカーの3点セット
エッジコンピュータ・電源・ブレーカーの3点セット
実際に接続した制御盤の様子
実際に接続した制御盤の様子

自社でも同じことができるか、お聞きください。

この事例も、最初はたった1台のエッジ端末から始まりました。設備の状況をお聞きし、最初の一歩をご提案します。

セキュリティ方針

すべてのプロジェクトでNDA(秘密保持契約)を締結し、機密情報を厳格に管理します。取得したデータはお客様の資産であり、目的外利用は一切行いません。