はじめに
大阪国際工科専門職大学 IoTシステムコース4年の松村凱斗です。現在、スリーアップ・テクノロジーでの臨地実務実習に取り組んでいます。スリーアップ・テクノロジーでの実習は今回が2回目で、2年生のときにもお世話になりました。本実習では、技術的なスキル向上と実践的な課題解決力の習得を目的に、IoT開発からイベント運用までを一貫して経験し、AI・IoTの実装力を高め、現場要件を踏まえた“動くものづくり”に注力しました。
目次
- AI開発フローの変化
- IoTソリューション開発・導入
- 万博出展プロジェクト(変身未来カメラ/ミライ工場)
- 実習全体のまとめ
1. 開発フローの変化
従来は、AIが出力したコードをコピペして単一ファイルで開発を進めることが多く、扱える規模はせいぜい約500行でした。今回の実習では、PC内のコードや設定をAIが横断的に把握・管理できる体制を整え、複数ファイルかつ数千行規模でも破綻しない構成へと刷新しました。Codex や Claude Code を組み込むことで開発速度と品質を同時に引き上げました。
2. IoTソリューション開発・導入
目的
化学工場の品質課題解決のため、機器選定・設置からデータ基盤構築、可視化までを一貫実施。
実施内容
- 現場調査・ヒアリング:製造ライン見学、データ取得要件・運用制約の整理。
- 設置準備・施工:Windows端末の自動起動/センシングアプリ自動起動設定、Google Sheets API等でのクラウド連携。
- 可視化・分析:収集データのダッシュボード化、品質を数式により予測。

学びと価値
運用を前提とした設計(再起動耐性、ログ保存)を初期から織り込む重要性を体感しました。特に、今後も現場で使われ続けるIoT機器を自ら設置し、実運用に直結する形で成果をつなげられた経験は非常に貴重でした。
3. 万博出展プロジェクト
3-1. 変身未来カメラ
万博という大規模な場で、来場者が楽しめる最先端の体験型コンテンツを安定運用しました。ローカル処理を予定していましたが、8月26日に最新の画像生成AI Google nanobanana へ移行することで、出力の品質とテーマのバリエーションを大幅に向上。プロンプトは「おもちゃ」「フィギュア」「ゲーム」「サイバーパンク」「マンガ」などを軸に、反応に応じて「アイドル」なども継続的に追加しました。結果として、累計撮影回数は3,850回に達し、スループット最適化とUX改善サイクルを高速に回すことができました。

3-2. ミライ工場(AIキャラクター×工場制御)
AIキャラクターがミニチュア工場をコントロールし、来場者は“声”で操作できる仕組みを実装しました。生成画像によってキャラクターは毎回変化し、生産数はリアルタイムで可視化、状況はAIが解説します。製造現場におけるAI×IoT融合、デジタルツイン、自然対話による制御の未来像を提示する取り組みとなりました。

4. 実習全体のまとめ
PC設定、IoT設置、API連携、ダッシュボード、生成AIまで一気通貫で実装し、運用を見据えた自動化・ログ・監視・拡張性の設計思考が定着しました。企業現場と万博運用をやり切ったことで、次案件でも再現可能なプロセスとノウハウを獲得できたと実感しています。あわせて、自信がつき、実案件を任されてもやっていける自信が身につきました。

